計測器に関するトレーサビリティの必要性はあるか

製品の品質を安定させるトレーサビリティ

製品のトレーサビリティの必要性があるのはなぜでしょう。計測器メーカーにおいては、その製品がいつ・どこで・誰によって製造されたのかを明らかにすることが大事になりますが、計量となるのならば、どのような標準器で校正されたのかを明らかにしなければなりません。簡単にいえば、国家標準寄りの適切な標準にて、切れ目のない比較を重ねて関連付けられた証明です。国家標準に沿っているのなら、信用・信頼度は高まったままでしょう。まずは、目的を見てみましょう。経済も今やグローバル化しており、それこそ国内でなく海外に工場を設立するケースもあれば、人件費も安い外国人雇用というケースもあり、世界各地で製造された部品を購入する場合もあります。さらに、その部品を使ってさらに製品を製造することもあれば、計測器の精度の基準というのは不統一という可能性が生じます。必要性があるとするなら、製品の品質を安定させるためでしょう。

計測器の正確性というのが大事になる

基準を決めて統一・管理することにより、先にあげたように世界各地から集められた部品でも一定の品質であることが証明されます。ちなみに、部品調達の効率を向上させるために導入された考え方なのだそうです。ここで注目すべきは、校正とトレーサビリティです。多少の誤差も許されない正確さが必要になります。標準器と比較するのが校正です。標準器というのは、国家で用いるように認められた測定標準になり、国家計量標準でもあります。一方、校正とは、標準器が表す値と校正される機器が表す値の関係を求めることだと示されています。ちなみに、標準器には国家計量標準となるもっとも正確性のある値から、2次・3次となる実用標準があります。

第三者にチェックしてもらうこと

校正証明書を必ず確認するようにしている製造メーカーも多いでしょうが、JCSSロゴ付きであれば、国家計量標準などにトレーサブルな校正であることの証になります。ということは、この書類1枚で、正確性を証明することができるというワケです。ちなみに、社内に校正員を在籍させているメーカーも多いはず、校正には技術の習得が必要になり、校正員として認定する制度もあります。校正員が何らかの事情にて変わってしまったら、短期間で技術を習得できるかも不安になるでしょう。マニュアル、機器管理リストなどの整備というのは安全・安心・信頼度に繋がります。都度、校正を外部業者に依頼することもありますが、必要性を感じられないのは社内に校正員を配置しているからです。頻繁に校正することで、性能劣化を追跡管理ができますが、異常の兆しが見られた場合、外部業者で校正することで、機器と値の信頼性を高めることができます。

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